2020年3月、ドイツ各地の新型コロナ検査センター前に長い列ができた。検査需要の増加に対して検査室の処理能力が追いつかず、結果にも遅れが出た。疑い例の人々が建物の外で待つ光景は、感染を見つける制度の入口に、別の感染リスクが生まれるという矛盾を可視化した。
同年12月にはベルリンやフランクフルトの検査センターで数時間待ちが報じられた。空港などには歩いて受けられる検査拠点も設けられ、移動する人々の検査を大量に処理した。検査は診断だけでなく、仕事、旅行、家族との接触を再開できるかを判断する通行証のような役割も担った。
この列の固有性は、待つ人が同じ不安を共有しながら、互いに距離を取らなければならない点にある。列を早く動かすことと、列そのものを安全に保つことが、同時に公衆衛生の課題になった。
