独立を回復した直後のエストニアでは、市民権、居住許可、旅券をめぐる新しい制度が人々の法的な立場を決めた。UNHCRの調査では、1991~93年に書類を提出したり受け取ったりするため、早朝から窓口へ来て列に並んだ経験が証言されている。

国家が変わると、同じ家に住み続けていても、自分の身分を新しい書類で示し直さなければならないことがある。列で待っていたのは一冊の旅券だけではない。国境を越えられるか、正式な居住者として扱われるかという、日常の土台そのものだった。