2023年2月、セントルシアの旅券・入国管理局では、長い列をめぐって「他人の場所を取る」ことが小さな商売になっていた。内務大臣は、早朝から並び、後で来る申請者へ場所を譲る対価を受け取る人がいると説明した。政府広報も、新しい電子旅券への移行後、窓口で長い待ち時間と列が生じていたことを認めている。旅券は国境を越えるための文書だが、ここで売買されたのは書類ではなく待ち時間だった。順番という見えない資源に値段がつく、行政サービスの列である。