1993年5月30日、カンボジアの農村部で、有権者は白い国連トラックの荷台へ上がるために並んだ。オーストラリア戦争記念館の写真P01744.096は、トラックが臨時投票所として使われ、国連カンボジア暫定統治機構の要員が列の人々の身分証を確認したと記す。投票所の入口は建物の扉ではなく、荷台へ掛けられた梯子だった。

選挙は長い内戦と和平合意の後、国連の統治下で実施された。23日から28日の予定を含む全国的な投票事業では、遠隔地へ投票設備と職員を運ぶ必要があった。常設施設が乏しい場所では、車両そのものが秘密投票と用紙管理の空間になる。列はトラックの移動能力を、地域の政治参加へ変換する仕組みだった。

写真から個々の政治的選択や待ち時間は分からない。それでも梯子は、この選挙の条件を端的に示す。有権者は票を投じる前に、本人確認を受け、自分の番に一段ずつ上らなければならなかった。国際的な和平事業の巨大さが、一台の車へ乗り込む狭い入口に集約されている。