2007年、南アフリカ・ランドバーグの内務省事務所の駐車場には、旅券や身分証明書などの手続きを助ける「代理並び」の業者が十数社あった。IOLが取材したフェルナンド・チョーキの会社は十四人を雇い、長い列に立つ時間がない依頼者のために順番を確保し、書類の進捗も追っていた。本人確認が必要な行為まで肩代わりするのではなく、依頼者に代わって待ち時間を引き受ける仕事である。
先着順は同じでも、その時間を誰が負担するかは同じではない。仕事を休めない人や家庭を離れにくい人は、待つ時間を買い戻す。その一方、代行者は自分の時間を商品として売る。行政窓口の営業時間と市民の生活時間がかみ合わないとき、列の外側に新しい職業が生まれた。
