2018年4月、チリは在留資格を整えるための特別正規化手続きを開始した。最初の1か月だけで12万5000人以上が登録し、全国の移民窓口や特設会場には申請者が集まった。90日という期限は、長く曖昧な状態で暮らしてきた人々の時間を、一斉に行政の時計へ合わせた。
対象者は身元、入国時期、犯罪歴などを示し、その後の審査を待つ。登録した瞬間に資格が確定するのではなく、申請を受け付けてもらうことが第一歩だった。政府にとっては制度外の人口を把握する作業であり、申請者にとっては仕事、住居、学校など日常生活の安定へつながる可能性だった。
窓口の列は「外国人」という一語ではまとめられない事情を同じ手順に並べた。到着した年も家族構成も違う人々が、同じ期限を見上げる。正規化とは書類の状態を直す言葉だが、そこで整えようとしていたのは、すでに始まっていた生活の足場だった。
90日の期限は、長年の不確実さを解消する機会であると同時に、全員を同じ行政日程へ押し込む圧力でもあった。窓口前の列は、在留資格の問題が突然始まったのではなく、解決の時計だけが一斉に動き出したことを示している。
