2022年12月、ルーマニア・ブカレストのロムエクスポ受入センターで、ウクライナから逃れた人々がUNHCRの登録を待つ短い列をつくった。列の多くは女性と子どもだった。ここでは現金支援への登録が行われ、同じ施設で一時保護文書の申請も受け付けられていた。
ロムエクスポは同年5月に開設され、一日に最大500人を扱える拠点となった。国境を越えることは安全への第一歩でも、その先には身分、滞在、支援を行政制度につなぐ手続きが残る。列は救援物資を受け取るだけの場所ではなく、避難生活を制度の中に位置づけ直す入口だった。
この列の固有性は、待つ対象が一つの品物ではなく、新しい土地で暮らしを組み立てるための登録だった点にある。戦争による強制的な移動を美談にすることはできない。それでも順番を待つ一人ひとりにとって、窓口は支援と法的保護へつながる具体的な接点だった。
