1989年、作家になる前のマロリー・ブラックマンは、アリス・ウォーカーの小説『The Temple of My Familiar』のサイン会に数時間並んだ。当時、ブラックマンは出版社から拒否を重ねられていた。順番が来ると、出版できずにいることをウォーカーへ話し、自分の本に「Don’t give up(諦めないで)」と書いてほしいと頼んだ。その献辞入りの本は後年、ブラックマンが受け取った82通の拒否状などとともに大英図書館の展覧会へ出品された。この列の固有性は、著者へ会う数分を待つ列が、その場限りの記念品ではなく、別の作家が拒否を耐え抜くための言葉を受け取る場所になった点にある。後の成功を理由に待機を美談化するのではなく、列の先で交わされた具体的な一文と、その保存の経緯を記す。
英国 · 1989年
アリス・ウォーカーのサイン会|出版拒否の最中、数時間並んで得た「諦めないで」
