1960年代末から70年代初めのメルボルンで、写真家クリス・ラーマニスは建て替わる都心近郊を記録した。Guardianが掲載した一枚には、サウス・メルボルンのPark Streetに建った公営住宅Park Towersの内覧を待つ人々が列をつくり、その傍らで一人の抗議者が都市計画を皮肉る看板を掲げる様子が写る。

この列の固有性は、新しい住宅への関心と、その建設手法への異議が同じ画面にあることだ。人々は完成した住戸を順番に見るために待つ。一方、看板は、塔を建てるために古い家や工場が取り壊された都市改造そのものを問い返す。内覧の列は、住宅を得る制度の窓口ではなく、変わりつつある街を市民が自分の目で確かめる順番だった。