2025年9月4日、セネガル西部カオラックのメディナ・バイには、預言者ムハンマドの生誕を祝うマウリドの巡礼者が集まった。セネガル通信社APSが現地で記録したのは、単なる大群衆ではない。ファイダ・ティジャニーヤの創始者シェイク・イブラヒマ・ニアスの廟など宗教施設の前に、数千人が実際に列をつくっていた。男性と女性の列は分かれ、数十メートルにわたって並行して延びていた。

人びとが待っていたのは、物品の配布でも入場券でもなく、廟のある広場へ進み、ズィヤーラ――祈りと追悼の訪問――を行う順番だった。列はゆっくり進み、巡礼者は宗教歌を唱えた。国内各地だけでなく西アフリカ諸国から来た信徒もおり、年に一度の宗教行事が国境を越える結びつきを可視化していた。

この行列の特徴は、待機の秩序そのものが礼拝の一部になっていることだ。男女別の二本の列は、人を効率よく処理するためだけの設備ではない。何万人もの移動を、一人ずつ廟へ近づく宗教的な時間へと変えていた。