2021年6月、メッカの聖モスクで公開されたザムザム水の配布ロボットは、給水の順番を逆転させる装置だった。Arab Newsは、巡礼者や職員が喉を潤すために列へ並ぶ必要をなくし、通過するロボットからボトルを受け取れると報じた。人が固定された給水点へ集まる代わりに、水を載せた配布点のほうが人々の間を動いたのである。
ザムザム水は、イスラム教の聖地メッカにあるザムザムの泉から供給され、巡礼者にとって宗教的な意味を持つ。新型コロナウイルス流行下では、同じ場所へ人が集中し、容器を共有すること自体が感染対策上の課題になった。ロボットは非接触でボトルを渡し、列と接触機会の双方を減らすために導入された。
この資料は、ロボット導入前の列の長さや各人の待ち時間までは示さない。それでも「並ばなくてよくなる」という同時代報道は、従来の給水が順番待ちを伴ったことを明確にする。聖なる水を求める気持ちは変えず、受け取り方だけを動かした行列の再設計だった。
