2014年2月3日、シリア中部ホムスのムハンマド・エル・ドゥラ学校には、3人のポリオ予防接種ボランティアが到着する前から列ができていた。学校は前年から、国内避難民500人以上が暮らす避難所になっていた。世界保健機関(WHO)東地中海地域事務局の同時代記録は、会場、日付、目的、そして列の存在をひとつの場面として伝えている。
内戦で住まいを追われた家族にとって、ここで待つ目的は、5歳未満の子どもに経口ポリオワクチンを受けさせることだった。ある母親は、2人の子どもがこの避難所で接種を受けるのは3回目だと話した。2月の接種ラウンド初日、120人の子どもが2時間足らずで接種を受けた。短い時間に多くの親子を安全に案内するには、到着順を保つ列が実務そのものになった。
シリアでは2013年10月、1999年以来となるポリオ流行が確認された。WHOとユニセフが支えた全国キャンペーンは、戦闘や避難で通常の保健サービスから離れた子どもにもワクチンを届けようとした。避難所の列は、医療を待つ個人の時間であると同時に、感染を地域へ広げないための共同の時間でもあった。
違う世界であっても、子どもの順番を待ちながら見守る親の姿は身近だ。ここで重要なのは、群衆を抽象化せず、学校名と日付のある記録から、一人ずつ接種へ進んだ現場を読むことである。
