2026年6月1日のエチオピア総選挙で、アフリカ連合の選挙監視団は38選挙区495か所を観察した。多くの投票所には待つ有権者のための座席が用意され、係員が列を案内した。それでも高い投票参加と施設の狭さが重なり、長い列と遅延が発生した。公式閉場時刻の午後6時になっても、監視対象の88%で列が残っていた。
投票は午前0時まで6時間延長された。これは「遅い人を締め出さず、すでに待っている人の一票を守る」という判断だった一方、係員の疲労や照明、開票開始の遅れも生んだ。列は民主主義の熱気を示すだけではない。投票所の広さ、職員数、手続きの速さという行政能力を、一人分の待ち時間として可視化する。お茶や軽食を待つ人へ差し入れた地域もあり、制度の遅れを市民同士の小さな支えが補っていた。
