韓国の通貨危機は1997年に深刻化し、翌1998年1月5日、全国規模の金集め運動が始まった。銀行には指輪やネックレス、記念品を持つ人々が列をつくった。開始直後の月曜だけで4万4748件、3314キロの金が持ち込まれ、3月半ばまでに集まった量は226トン、評価額は22億ドルに達した。
この行列は、1997年の危機と1998年の行動をつなぐ。家庭で保管されていた金は、窓口で重量と純度を確かめられ、外貨を得るための輸出資産へ変わった。通貨危機という巨大な仕組みに、市民が一品ずつ持参する小さな手続きで参加したのである。
金融不安の列は通常、預金を引き出す方向へ伸びる。韓国では反対に、価値あるものを銀行へ持ち込む列が生まれた。参加者全員を同じ動機で説明せずとも、危機への応答が、家庭の品物と銀行窓口を結ぶ具体的な順番になったことは記録できる。
