2023年9月23日、ブエノスアイレスでは約290の文化施設が無料で深夜まで開く「博物館の夜」が開かれた。街の文化省によれば約100万人が市内を巡り、ブエノスアイレス博物館の前には長い入場列ができた。ラ・ナシオンは、歴史的建造物トーレ・モヌメンタルの夜間見学にも数十人が列をつくったと報じている。
この行列の面白さは、一つの人気展だけが人を集めたのではないことにある。美術館、博物館、大学、記憶施設、歴史建築が同じ夜に入口を開き、街全体が巨大な文化回遊路になった。無料という条件は、普段なら入館料や予定の都合で訪れない場所にも足を向ける理由をつくった。
列は文化施設の外側にできるが、その夜は列そのものが都市の地図を描いた。人びとは一つの作品を待つだけでなく、次にどこへ行くかを考えながら街を渡った。通常は静かな入口に順番待ちが生まれることで、文化が建物の内側だけでなく、歩道や広場にも広がった。
