1991年4月11日付のイタリア紙『l’Unità』は、ローマの職業紹介所を「In fila al collocamento(職業紹介所で列に並ぶ)」という見出しで報じた。記事は、アッピア街道の事務所に仕事を求める人が訪れ、窓口で自分の手続きの進み具合を確かめる様子を伝え、紙面写真にも職業紹介所内で待つ人々が記録されている。1990年には約9万9千人が同所で待機名簿への登録を行い、年末の登録者は20万918人に達した。
この事例には二種類の「待ち」が重なる。長期間の登録名簿という制度的な待機と、その制度に入るため職業紹介所で順番を待つ物理的な列である。記事が紹介したCGILの調査では、公共の紹介制度を通じず知人の助けで職を得た回答者も多く、窓口の列は雇用制度の限界まで映していた。ローマの職業紹介所は、仕事を探す希望が紙の名簿と目の前の順番の双方に変換された場所だった。
