1910年の上海では、東南アジアのゴム景気に連動した株式投機が崩れ、資金を貸し込んでいた中国系銀行が連鎖的な圧力を受けた。預金者は銀行の支払い能力を疑い、現金を引き出そうと窓口へ殺到した。銀行取り付けでは、列に秩序があるほど安心なのではなく、列が見えること自体が次の人を呼ぶ。

銀行は預金の全額を現金で金庫に置いているわけではない。通常はそれで経済が動くが、多数が同時に引き出せば、健全な銀行でも現金が足りなくなる。前に並ぶ人が受け取るほど、後ろの人は自分の分が残るか不安になる。