ハノイで「バインミーの列」といっても、待っている味も客層も同じではない。VnExpressが2026年に紹介した四軒では、旧市街や大聖堂周辺の店に昼どき数十人が並び、ある店では15〜20分待ちになった。外国人客やSNSを見て来る人が多い店は、約20種類を1万2,000〜3万5,000ドンで提供する。一方、ハンガイ通りで1979年に始まった店は、朝7〜9時に地元客が集まり、三人の店員が1万2,000〜1万5,000ドンの昔ながらの品をさばく。台風ヤギの後には営業場所も移した。

フォーフエ通りの店は約半世紀続き、3万〜4万ドン。数十人の列には、長年同じ味を買ってきた常連もいる。ランオン通りの店は1989年創業で、地元客と旅行者を25,000〜30,000ドンの品で迎え、人気に応じて店舗を広げた。列の長さだけを比べれば似て見えるが、中身は違う。観光の話題性、通勤前の習慣、家族のレシピ、災害後の移転が、それぞれ別の順番をつくる。ハノイのバインミーは一つの郷土食ではなく、数十分の待ち時間に店ごとの都市史を折り畳んでいた。