2019年、ウガンダのワキソ県ブウェヨゲレ。午前9時15分ごろ、レベッカ・フリダ・イチモの売り場にはマトケを買う人の列ができていた。マトケは調理用バナナで、ウガンダの食卓を支える主食の一つである。地元紙の記者は、並ぶ客の数から彼女の一日の忙しさと常連との関係が分かると書いた。
イチモは、卒業後18か月仕事が見つからなかったことをきっかけに商売を始めた。最初は友人から60房、60万ウガンダ・シリング相当を信用で仕入れ、4日で売り切って72万シリングを得た。その後、房ごと買えない客が「バナナの指」単位なら買えることに気づき、袋詰めのばら売りも増やした。最低価格は1,000シリング。週にトラック一台分を仕入れ、50袋の指と50房を扱えるまでになったという。
この列が示すのは人気店という事実だけではない。一房を買える客と、その日の食事に必要な数本だけを買う客が、同じ売り場の前で順番を共有している。大きさや季節で価格が変わり、新しい荷が届く日には保留注文も動く。列は、主食を「一房」という農産物の単位から「数本」という家計の単位へ切り分ける場所にできていた。
