1930年ごろ、ニューヨークのヒッポドローム劇場脇に、5セントの食事を求めるパン列が伸びた。米国議会図書館の写真説明は、列の途中に看板があり、その地点までは食事代が支払われていたと記す。看板より後ろの人々は、通行人が寄付するまで待たなければならなかった。

普通の列なら、前に進めば商品やサービスへ近づく。しかしこの列では、順番だけで食事は保証されない。寄付金が届くたびに、支払済みの境界が後ろへ動く仕組みだった。5セントという少額でも、誰かが代わりに払わなければ列の後半は止まる。

資料は人数、待ち時間、運営団体を示さないため、それらは補わない。確実なのは、看板が単なる案内ではなく、食べられる人とまだ待つ人を可視化したことだ。都市の慈善は列を一つにまとめながら、その内部を「資金あり」と「寄付待ち」に分けていた。