英領セイロンの茶園で撮影された一枚の写真には、机に座るヨーロッパ人男性と、その左右に並ぶ労働者が写っている。英国図書館の記録は写真を「茶産業――労働者への賃金支払い」と特定し、被写体を労働、茶産業、茶園として整理している。年代や農園名はカタログ記述だけでは確定できないが、賃金を受け取る順番が物理的な二本の列として可視化されている。

この列の中心にあるのは売店や窓口ではなく、支払担当者の机である。労働者は個別に呼ばれて賃金を受け取り、次の人へ順番が移る。植民地期のプランテーションでは、住居、医療、買い物、賃金までが農園の管理構造に組み込まれていた。写真が残した左右対称の列は、給料日を祝祭としてではなく、雇用者が多数の労働者を一人ずつ処理する事務手続きとして記録している。