「戦後配給の米・食糧」を待つ人々。収集原票は、この行列の場所を日本と記している。記録上の時期は1945-50。原票に残された手がかりは「敗戦後の生存の列」というものだ。何を待っていたのかだけでなく、待つことが暮らしの中でどんな位置を占めたのかにも目を向けたい。楽しみのための列と、必要に迫られた列を同じものとして扱うことはできない。これは原票に基づく編集草稿で、出来事の実在や参加者の心情を確認した文章ではない。
この題材で確かめたいのは、「戦後配給の米・食糧」という名前の出来事だけではない。誰が順番を決め、待つ人は何を受け取り、列を離れたあと何が変わったのか。日本という地名だけで事情を一括りにせず、記録に残る一つの現場から描く必要がある。写真があれば撮影時刻と前後の状況を、報道があれば取材対象と発言の範囲を確認したい。証拠がそろうまでは、列の長さも待ち時間も断定しない。
