1989年、ブカレスト中心部の牛乳列をアンドレイ・パンデレが撮影した。写真を収録するCOURAGE Registryは、共産主義末期には食品や日用品の長い列が日常の光景だったと説明する。政権は「合理的栄養」を名目に配給を復活させ、外債返済を優先した結果、食料不足が深まった。パンデレが挙げた細部の一つが、路上で凍った牛乳瓶である。瓶や空の袋を歩道に並べて順番を示す方法は、列に身体を置き続ける代わりの記号にもなった。同じ資料のチーズ列と歴史背景は共有するが、牛乳は低温の中で待つ時間そのものを容器の状態に残した。凍った瓶は、商品の不足と冬の待機が同じ物体に刻まれた記録である。