フランス・ルルドの聖域では、巡礼者が洞窟の泉から流れる水を飲み、顔を洗い、容器に入れて持ち帰る。水は無料で、販売は禁止されている。洞窟の隣には18の水飲み場があり、その数は聖母出現の回数を表す。

2022年の聖域の衛生手順書は、水を汲む人へ明確に「列に加わる」「床の表示を守る」「手を消毒する」と指示していた。蛇口に触れず、容器を自動水栓の下へ置く順序まで定められている。信仰の対象である水を、非常に現代的な待機管理で分ける仕組みだった。

ルルドの列が待つのは高価な商品ではない。科学的には特別な性質が確認されていないと聖域自身が説明する無料の水である。それでも持ち帰りたい人が多いからこそ、18の蛇口と床の線が、個人的な祈りを他者と共有できる順番へ変えている。