2022年7月、レバノン各地のパン屋に長い列ができた。シドンの店では店員が男性列と女性列を分け、ある女性は子どもの食事のため毎日並ぶと語った。早朝から場所を取り、家族数人を別々に並ばせて購入数を増やす人もいた。列を避ける道もあったが、それは高かった。店頭価格1万6,000レバノン・ポンドの束が、パン屋の裏で3万、配達なら4万で売られた。
普通の白パン用小麦は中央銀行が公定レートで外貨を全額手当てする補助対象だった。補助解除なら一束3万〜3万5,000へ上がるとの懸念が買い急ぎを強めた。政府は5万トンの小麦到着を予告したが、店先では順番をめぐる争いも起きた。パン列は不足を配る制度であると同時に、待てる人と、割高でも待ち時間を買い戻す人を分ける市場になった。
