2022年のスリランカでは、深刻な経済危機と外貨不足のなかで燃料や調理用ガスの供給が滞った。家庭で使うガスボンベを求める待機列は、単なる買い物の不便ではない。火を使って食事を作れるかどうかという、暮らしの根本に関わる問題だった。
ボンベを手に入れるには、店に在庫が届くか、いつ販売されるかを知る必要がある。長く待っても購入できる保証はない。代替燃料を探すことも、時間と費用がかかる。食卓に料理が並ぶまでの過程には、ふだん意識されない輸入、流通、家計の条件が折り重なっている。
危機を象徴する写真では列の長さが目を引く。しかし列に並べない人、家を空けられない人の困難は写りにくい。ここで待たれていたのは商品だけではない。いつもどおり夕食を作れるという、当たり前の一日の回復だった。
調理用ガスの列では、空のボンベが順番の印になる。補充までの時間は、夕食の献立、別燃料の費用、容器を運ぶ人の仕事まで変える。
ロイターは2022年スリランカで調理用ガスや燃料を求める数千人の列を直接記録している。
