1924年10月1日、ワシントンでワールドシリーズの切符が売り出された。米国議会図書館に残る写真記録は、エルシー・タイディングスを「今朝の最初の列の1番」と特定し、首都で初めて売られたワールドシリーズ券を買った人物としている。写真には券売窓口と、彼女に続くファンが写る。
ワシントン・セネターズが初めてワールドシリーズへ進んだ年、観戦の入口はオンライン抽選でも転売市場でもなく、窓口前での順番だった。この史料が珍しいのは、群衆の規模ではなく、列の先頭にいた一人の名前と順位を記録している点だ。
「最初の切符」という称号は試合結果とは別の小さな記録である。しかし、その一枚は、都市が初の大舞台を迎えた熱気を、匿名の長蛇の列ではなく一人の待ち手から伝えている。
