メキシコ革命下の1915年、首都メキシコシティは深刻な食料不足に見舞われた。カサソラ写真コレクションには、トウモロコシの配給を列で待つ人々が記録されている。米国議会図書館の写真記録にも、飢餓のなかで赤十字のスープを受け取るため並ぶ住民の姿が残る。
革命の戦闘と交通の混乱は、都市へ食べ物を運ぶ仕組みを揺さぶった。列にいるのは、政治の大義ではなく、その日の食事を必要とする男女や子どもたちである。トウモロコシもスープも、順番が来なければ家族へ渡せない。
歴史書では「飢餓の年」と一語で呼ばれるが、写真の中では一人ずつが待っている。危機が巨大であるほど、助けは一杯、一袋、一人分ずつ配られる。列はその間をつなぐ細い仕組みだった。
