バーレーンのラマダンでは、日没後のイフタールに温かい伝統パンを添える家庭が多い。2019年、同国紙Al Biladは、客が町の伝統的なパン屋の前に列をつくり、一人ずつ自分の番を待って熱いタンヌールパンを買う光景を報じた。
混雑のピークは午後のアスル礼拝後から、日没を告げるマグリブの礼拝直前まで。土窯のタンヌールで焼くパンは、肉や野菜の煮汁をしみ込ませる郷土料理サリードにも使われる。焼き手が火の前で一枚ずつ仕上げるため、食卓に間に合わせたい客の時間が店先の列に集まる。
同じパンを毎年待つことは、単なる買い物以上の習慣になる。焼きたての香り、迫る日没、前の人が受け取る一袋。列は、家族の食卓へ向かう最後の数分を、近所の人たちと共有する場所でもある。
