モルディブのマグロ漁では、魚を獲れば仕事が終わるわけではない。2025年、漁獲量が国営モルディブ産業漁業会社(MIFCO)の処理能力を超え、漁船が買い取りの順番を何日も待つ事態が生じた。ラーム環礁の漁師フセイン・ラシードは、長い列のため船リヴェリ2で引き返さざるを得なかったと証言した。

列は人ではなく船でできていた。会社の一日あたり処理能力は420トンと説明され、前の船が販売を断念すれば次の船が繰り上がる。待つあいだも魚の品質と燃料費は漁師側の問題であり、海上の順番は収入に直結した。

市場の行列なら客が商品を待つ。ここでは生産者が、すでに獲った生鮮品を売る窓口が空くのを待った。海に浮かぶ船列は、漁獲能力と陸上の加工能力のずれをそのまま示していた。