アルゼンチン報道写真家協会ARGRAの写真台帳には、2001年ごろのブエノスアイレスで人々が列を作る一枚がある。資料番号0486の簡潔なキャプションは場所と行列を明記し、同じ「コラリート」主題の写真群には、預金の自由な引き出しを制限された人々が銀行や両替所へ集まる場面が並ぶ。預金は帳簿に存在しても、現金として自由に動かせなくなった。

2001年12月に導入された規制は、銀行制度の崩壊を防ぐため現金引き出しを制限した。しかし家賃、食費、事業の支払いを抱える人にとって、制度安定の論理と日々の支出は同じ速度では進まない。窓口やATMの順番は、自分のお金へ近づくための順番になった。抗議の鍋打ちや銀行前の集会も、単なるサービス混雑とは違う政治的な意味を帯びた。

写真0486だけから、全員が預金を引き出そうとしていたとも、何時間待ったとも断定できない。だから個別写真の説明と、同じアーカイブが示す制度背景を分けて読む必要がある。それでも、この列が残す逆説は明瞭だ。残高を持つ人々が、その残高を使える形へ変えるために、銀行の外で自分の番を待った。