2008年4月14日、キューバで一般市民が自分名義の携帯電話サービスを契約できるようになった。ハバナ旧市街の国営通信店では、歩道の両側をふさぐほどの列ができ、約100人が順番を待った店舗もあった。それまで多くのキューバ人は、外国人の名義を借りなければ携帯電話を正式に契約できなかった。

列の目的は、単に新しい機器を買うことではない。自分で料金を払い、自分の名義で通信手段を持つ資格が開かれた初日に並ぶことだった。もっとも、契約料と端末代は平均的な賃金に比べて非常に高く、制度上の解禁が誰にとってもすぐ利用可能になったわけではない。

この行列は、技術への憧れと制度変更が同じ歩道で出会った場だった。携帯電話はすでに島内に存在していたが、「誰の名義で使えるか」が変わった。人びとが待ったのは端末だけでなく、自分自身が契約者になる順番でもあった。