トビリシのパン屋では、細長いジョージアパン、ショティが粘土製のトーン窯の内壁で焼かれる。現地の食案内は、焼き上がったばかりのパンを求めて近所の人が列をつくり、行列のある店ほど窯から出た直後のパンに出会えると紹介している。
ショティは日常の食卓に近いパンだが、作り方は目の前の窯と職人の手に結びついている。一度に焼ける枚数には限りがあり、客は次の焼き上がりを待つ。列は商品の人気だけでなく、焼成の時間そのものから生まれる。
窯の口から熱いパンがはがされるたび、列は少し進む。遠い料理文化のようでいて、「焼きたてを持ち帰りたい」という気持ちは、どの町のパン屋にもよく似ている。
