2021年10月、ガーナの国民ID「Ghana Card」の登録センターに長い列ができた。携帯電話のSIMカード再登録にGhana Cardが必要とされたため、通信を使い続けたい人が、まず国民IDを取得する窓口へ集まった。国民識別庁(NIA)は同年11月、登録とカード交付への関心が急増し、事務所の過密が公衆衛生上の危険になっていると説明した。
2022年1月には国家通信庁(NCA)も、通信会社の顧客窓口に長い列と混雑が生じていることを認めた。来店前に短縮番号を使ってGhana CardとSIMを連結する第一段階を済ませるよう案内し、通信会社には追加拠点や臨時窓口を設けるよう求めた。列を速く動かすだけでなく、入口を増やして待つ人を分散させる対策だった。
一枚の身分証は、銀行、通信、行政を結ぶ便利な鍵になる。その反面、まだカードを持っていない人には、複数のサービスへ進む前に通過しなければならない門にもなる。デジタル化で紙が減っても、撮影、指紋、原資料確認など本人が設備の前に立つ工程までは消えない。
この列で待っていたのはSIMカードだけではない。国家の本人確認制度に登録され、その先の通信サービスへ進む順番だった。
